旧SMILES@LA
長い間お世話になりましたが、2014年10月引っ越しいたしました。

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あが

Author:あが
LA郊外に住むお気楽バカ夫婦と、
ドーベルマン×ウィペット(推定)のミックス犬ニコ(9歳♀)デカスギミニチュアピンシャーのニヤ(8歳♀)の家族です。

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The LOST DOGS ジャスミンとカタリーナさん
The Lost Dogs: Michael Vick\'s Dogs and Their Tale of Rescue and RedemptionThe Lost Dogs: Michael Vick\'s Dogs and Their Tale of Rescue and Redemption
(2010/09/16)
Jim Gorant

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違法闘犬と動物虐待で服役したNFLのスター選手マイケル・ヴィックの犬達のリハビリの軌跡。
本日は第10回目です。前回から少し時間が経ってしまいましたが、ジャスミンのお話の続きです。
前9回の記事はこちら。


捜査から保護まで


シェルターそして査定

査定から選別へ

新しい世界、ローズとジョージア

人間達


リトルレッド


リトルレッドとボーイフレンド達

クライマックスの前に


ジャスミン



前回はカタリーナさんとご主人がワシントンアニマルリーグにジャスミンを迎えに行ったところまでお話ししました。
車に乗せられたジャスミンは、恐怖と緊張でガチガチに固まっていました。
カタリーナさんは先にヴィックの犬を家に迎えた人達から、多くの犬が緊張のあまり車内で吐いたりお漏らしをしたりしたと聞いていたのですが「まだその方が良かったわ」と思えるほどに、ジャスミンには生気がなく、カタリーナさんを不安にさせました。

家に着いた時、ジャスミンは車に乗せられた時と同じ場所から1ミリも動かず、ジッと固まったままでした。
まるで15kgの大きな荷物を運ぶように、カタリーナさんはジャスミンを抱いて家に入りました。

IMG_4392.jpg
「う~ん、それは手ごわそうね。」


カタリーナさんの家には3頭の先住犬がいました。ラブラドールミックスのログ、15歳で盲目のコッカースパニエルのソフィ、シェパードミックスのレイマンドーです。
相変わらず固まったままのジャスミンは裏庭で3頭と初顔合わせをしました。
その途端、ジャスミンに変化が訪れました。体はリラックスし、怖々ながらも立ち上がって犬達の匂いを嗅ぎに行きました。
ほんのわずかながら、ジャスミンがこの瞬間を楽しんでいることさえ伺えました。

しかし、ことはそれほど簡単ではなかったのです。

カタリーナさんの家では地下室の一部屋を犬専用にしていました。
地下とは言え日の当たる大きな窓があり、犬達のクレートがゆったりと置かれていました。

ジャスミンをそこに連れて行くには、また大きな荷物と化した彼女を抱き上げていかなくてはいけませんでした。
クレートの中にジャスミンを置くと(そう!それは文字通りの「置く」でした。)
ジャスミンはその後瞬きさえせずにジッとそこにうずくまっていました。

その後2日間、ジャスミンは飲まず喰わずで過ごしました。

IMG_4567_20110322142107.jpg
「ダメだよ。ごはん食べないと体に悪いよ。」

カタリーナさんは1日に4~5回ジャスミンを抱いて裏庭に連れ出しました。
正確には抱いてと言うよりも、宅配便の荷物のようにジャスミンを抱えて。
芝生の上でジャスミンはぺったりと腹這いになり、カタリーナさんをちらっと見るとまたそのまま固まっていました。
カタリーナさんが家に入って窓から様子を見ていると、ようやくジャスミンは少しリラックスして立ち上がり、庭の隅っこに見つけた小さな穴に座って、またジッとしているのでした。
庭にいる時以外はジャスミンはいつもクレートの中でうずくまっていました。
部屋のドアもクレートの扉も開いていて、いつでも自由に出入りできるというのに。
夕方になるとカタリーナさんは犬達の部屋に行き、ジャスミンのクレートの隣で静かに座っていました。
たまにおやつやおもちゃを見せても、ジャスミンはやっぱり固まったままでした。

カタリーナさんは子供の頃からずっと犬と暮らして来て、犬にたずさわる仕事をして来た人です。
彼女の人生にはいつもいつも犬がいました。ジャスミンの前にも多くの犬をリハビリしレスキューもしてきました。そんな彼女もさすがにジャスミンには頭を悩ませました。
しかしカタリーナさんは自分の本能と直感を信じる事にしました。

ジャスミンには他の犬達、群れの力が必要だ。
ジャスミンが他の犬達を傷つける事はない。
これがカタリーナさんの直感でした。
彼女はログとソフィとレイマンドーにジャスミンを任せてみる事にしました。

IMG_0145.jpg

裏庭で3頭の犬達と一緒にいる時のジャスミンは別の犬のようでした。
生気があり、犬らしく振る舞うことができ、心地よさそうに見えたのです。

ジャスミンの毎日は、朝ひとりきりで食餌をとり、昼間は2時間おきに庭に運ばれて用を足したら穴に入って座り、夕方にはまたひとりで食餌をして、その後カタリーナさんと黙って一緒にいる。
そして夜になると3頭の犬達と一緒に庭で遊ぶ。

ある夜、カタリーナさんはログ達3頭にリードをつけて庭を歩いてみました。
するとジャスミンも犬達について歩きたそうなそぶりを見せたのです。
もちろん「でもあの女の人がこわい」という様子がありありでしたけれどね。
カタリーナさんはジャスミンにリードを付け、他の犬達と庭を散歩しました。
カタリーナさんがリードを離すとジャスミンは一直線に庭の隅っこの穴に走って行って
そこに座り込んでしまったのですが、とにかくこれは大きな変化でした。
ここまで来るのに実に2ヶ月の時間がかかっていたのです。

3ヶ月目は大きな変化のないまま同じように過ぎて行きました。
2007年の12月にジャスミンがこの家にやって来て、
外はもう春の景色になっていました。

相変わらずジャスミンを抱きかかえて運ぶ毎日。
けれどカタリーナさんは、そんなジャスミンをとても愛おしく思っていました。
クレートの中の犬の耳元で「ジャスミン」と呼びかける時、彼女は幸せでした。
カタリーナさんには男の子と女の子、一人ずつお子さんがいるのですが
もしももう一人女の子ができたらジャスミンと名付けようと、以前からずっと決めていたのです。
そんな偶然も彼女がジャスミンの前を素通りできなかった理由のひとつでした。

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「カタリーナさんにとってジャスミンは娘だったんだ。」

ジャスミンはカタリーナさんに抱かれている時、身を固くしてギュッと目を閉じていました。
それはカタリーナさんが何か辛い時に遭遇した時と同じ仕草でした。
ジャスミンはそうやってそれまでの辛い境遇をやり過ごして来たのでしょう。
「ジャスミンはどんな夢を見て眠ってきたのだろう?
どんな楽しい思い出を持っているんだろう?そもそも楽しいことはあったんだろうか?」
ジャスミンを見ていると、そんな思いで胸が一杯になるのでした。

2008年の春のある日、いつものように庭に置かれたジャスミンのところにログ達3頭の犬がやってきました。
犬達といると嬉しそうなジャスミンでしたが、その日は特別にはしゃいだ様子でした。

離れたところで見ていたカタリーナさんは意を決して、ある事をしようと決めました。
それまで3頭の犬達と庭の中を散歩したことはあったのですが
ジャスミンを連れて外に散歩に出る事にしたのです!
全員にリードをつけて門を出ると3頭の犬がどんどん進んで行きました。
するとジャスミンも彼らの後について門を出て歩き始めたのです!

IMG_0143.jpg

外に出るとジャスミンはあらゆる物の匂いを嗅ぎ始めました。
初めて見るもの、初めて聞く音、初めて感じる匂い。
ジャスミンはようやく新しい世界に飛び込む準備ができたのです。
カタリーナさんはジャスミンを誇らしく思う気持ちでいっぱいになりました。


そしてその1週間後、カタリーナさんはナンシー・ウィリアムズさんという動物行動学士を迎えました。
ジャスミンは犬達といる時は活き活きしていても、それ以外の時は全くの相変わらずだったからです。
           
ナンシーさんはまずコングを使うことを提案しました。
コングにオヤツを詰めてクレートの外に置き、ジャスミンがクレートの外でコングの中のオヤツと格闘させることで、外にいる時間を長くし、クレートの外でも何も悪い事は起こらないと学習させるためです。

IMG_4563_20110322141729.jpg
「ふーっ。コングのある所で悪い事なんて起こるわけないのに。」


そしてナンシーさんはクリッカートレーニングも紹介しました。
最初はカタリーナさんが犬の顔の前で指を動かし、ジャスミンがその動きを目で追えばクリッカーをカチッと鳴らしてオヤツを与える。
ジャスミンはすぐに「音がするとオヤツがもらえる」ということを理解しました。
そして次には自分が何を要求されているのかも理解することができました。

次に、カタリーナさんは掌を広げて見せ、ジャスミンがそこに鼻の頭をチョッとくっつけるとクリッカーとオヤツをあげるという課題を出しました。
ジャスミンはこれには躊躇しました。自分からカタリーナさんに触れるのは怖かったのです。
何度か偶然鼻先が触った時にクリックとオヤツが与えられ、ジャスミンはそのことを理解はしたものの、やはり進んでは鼻をくっつけては来ませんでした。

カタリーナさんは手をぐっと伸ばしてジャスミンの方に近づけてみました。
すると、ジャスミンは立ち上がり、首を伸ばしてゆっくりと自分の鼻先をそこにくっつけました。
すかさずクリックとオヤツを与えるカタリーナさん。
もう一度!さらにもう一度!ジャスミンは何度も繰り返しました!

ジャスミンにとって人間の手が初めて「嬉しいもの」になった瞬間でした。

それからカタリーナさんは毎日のクリッカートレーニングを始めました。
1日2回、最高1時間。ジャスミンは他にも色んなトリックを覚えていきました。

カタリーナさんがジャスミンのクレートに近寄ると、ジャスミンは喜ぶ様子を見せました。
ジャスミンはカタリーナさんと一緒に過ごすのを楽しみにするようになったのです。

まだカタリーナさん以外の家族のメンバーのことは怖がっていて
聞き慣れない音や声にも震え上がり、食餌も一匹だけで食べてはいましたが
ジャスミンは確実にはっきりとした進歩を見せました。

IMG_4560_20110322141730.jpg
「よかった・・・。」


そしてある日、カタリーナさんがジャスミンのクレートの側に来た時
ジャスミンは自分で立ち上がり、クレートの外に歩いて出ました。
そして自分で歩いてドアのところまで行ったのです!
そこでようやくジャスミンはカタリーナさんを振り返りました。

ジャスミンが自分で歩いた!

感動するカタリーナさんを後ろに、ジャスミンは庭へと出て行きました。
春の暖かい日のことでした。


もう1回ジャスミンのお話が続きます。


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ベックマン
ジャスミンってすごくいい名前だなって思います。

各犬の進み具合に合わせるって、とても大変な事だけど、とっても大事な事なんだなぁってつくづく思いました。
人間は自分達の生活があるので、なかなか時間をかけて犬に合わせてあげるってできそうで、難しいですよね。

健康な、普通の犬(自分の犬とか)でもこれは結構必要なのではないかと、今でも思っています。

ああ、次回に向けてすでにどきどきしてる私(笑)。あがさん、がんばれー♪
2011/03/22(火) 00:05:03 | URL | [ 編集]
あが
ベックマンさん
> ジャスミンってすごくいい名前だなって思います。
そうそう!そうなんです!私も書きながら「ジャスミン」と打つ度に
しみじみといい名前だなあと思っていました。
名前を付けて下さったレベッカさんに感謝です。
>
> 各犬の進み具合に合わせるって、とても大変な事だけど、とっても大事な事なんだなぁってつくづく思いました。
私も全く同じ事を考えていました。
カタリーナさんは本当にすごいと思います。
そしてやはり、自分の犬達との接し方についても考えさせられますね。

> ああ、次回に向けてすでにどきどきしてる私(笑)。あがさん、がんばれー♪
私もドキドキしてます。がんばる・・・けど、ここで燃え尽きてはいけない(笑
まだまだ後にスーパースター達が控えていますからね。
2011/03/22(火) 15:34:28 | URL | [ 編集]
ケンケン
動物も人の子も同じですね。
普通に接するってとても難しい事なんですよね。
つい 焦って手出したり かまってみたり・・・
相手の立場になって考えるって事を凄く考えさせられます。
2011/03/22(火) 17:52:59 | URL | [ 編集]
はたはた
文章で読むと、進んで行く様子がうれしいけど
実際は進まないことの方が多い忍耐の日々。

吠えたり噛もうとしたり暴れたりするのも大変だけど
固まるっていうのも大変。
ほんと、石のように動かず、呼吸も止めてるか?
みたいな感じですもんね。

ジャスミンって私もいいなーと思っているんですけど
まだつけられなくて、とっといてます。
2011/03/22(火) 23:16:42 | URL | [ 編集]
あが
ケンケンさん
本当難しいですよね。
不二子ちゃんのことで色々考えてらっしゃる時だから余計に、ですよね。
でもケンケンさんちは心強い助っ人達がたくさんいるから大丈夫。
カタリーナさんも「群れの力を信じる」とおっしゃってますもんね。
2011/03/22(火) 23:53:18 | URL | [ 編集]
あが
はたはたさん
ジャスミンの話は本で読んでいても「忍耐」でした。
ここに書いたのはまとめてはしょってるからね。
でもそれでも実際の時間はもっともっと忍耐の日々ですもんね。
カタリーナさんにもはたはたさんにも、本当に頭が下がります。

> ほんと、石のように動かず、呼吸も止めてるか?
> みたいな感じですもんね。
私はこういう犬って動画でしか見た事がないのですが
本当に途方に暮れてしまうと思う。
ニコが来る前にお見合いに行ったジャッキーブルーでさえ
地面に這いつくばりはしなかったもんなあ。

> ジャスミンって私もいいなーと思っているんですけど
> まだつけられなくて、とっといてます。
とっておきのお名前ですね。本当に優しくていい名前だなあと思います。
2011/03/22(火) 23:58:16 | URL | [ 編集]
miniwindi
気の遠くなるような道のりでしょうか。
少しずつ、少しずつ、薄皮を剥がすような、
とても、すぐに目に見えるような進歩は見えない毎日で、、。

なかなか、できる事じゃ有りませんね。

相手の性質、状況をよく見て、それに合わせてやっていくって
子育てでも犬の場合でも、同じように大事だな、って思いました。

2011/03/23(水) 02:45:51 | URL | [ 編集]
るーまま
あの被災地の犬たちのように、互いに寄り添って保ち堪える姿、
恐怖からその腰の引けた、歪な姿勢を悲し気な表情を元に戻して
あげるには、どれほどの時間がいるのか。。                               そしてジャスミン、
身体の心の折れた分をとりもどすように、いち日いち日恨みつらみ 
など持たず闘ってる子たち。
その子のあるがままの資質を変えることなくリハビリを行なって
いくってほんとうに気が遠くなることですが、だから少しでも
進展があれば何ものにも変え難い喜びがあり、また力も湧いて
くるわけですね!
思いが至らないと、つい性急に事を進めて元の木阿弥から抜け出せ
ないということになるし、よほどの覚悟と忍耐そして愛情がなければ
ね。わかっちゃいるけどです。。                                       
我が子くらいの方々の素晴らしい動きを見るにつけ大いに                        嬉しく頼もしく思いました。  母もがんばる!
そうそう あがさんはミランさんの秘書ですよね!♪
2011/03/23(水) 19:20:20 | URL | [ 編集]
あが
miniwindiさん
本を読んでいても気が遠くなりそうだったのに
実際に毎日を過ごしていたカタリーナさんのご苦労はいかほどだったか
考えるほどにうならされます。

> 相手の性質、状況をよく見て、それに合わせてやっていくって
> 子育てでも犬の場合でも、同じように大事だな、って思いました。
全ての犬も、全ての人も、それぞれの個性があるのだという
当たり前の事をしっかりと気づかせてもらえた気がします。
2011/03/23(水) 22:42:58 | URL | [ 編集]
あが
るーままさん
被災地の犬達は確かに恐怖の体験をしたけれど
暖かい家庭にさえ戻る事ができればきっと大丈夫だと思うのです。
彼らは「今」を生きているのだから。
だからこそ1日も早く1頭でも多く救出されてほしいのですが。

> その子のあるがままの資質を変えることなくリハビリを行なって
> いくってほんとうに気が遠くなることですが、だから少しでも
> 進展があれば何ものにも変え難い喜びがあり、また力も湧いて
> くるわけですね!
そうですね。私はここまでの体験をしたことがないのですが
ニヤが家に来た時、どんどん体がきれいになっていって
目の力が強くなっていったのが本当に嬉しかったです。
(今じゃこんなんなっちゃったけど 笑)

そうそう、私はシーザーさんの一ファンで私設弁護担当です(笑
2011/03/23(水) 22:48:09 | URL | [ 編集]










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